a | きのこ発表・勉強会報告 開催日時 12月16日(日) 開催場所 川越西文化会館(メルト)2F 第一会議室 参加者 会員 28名 世話人 大久保彦、富田稔(受付)、沼田尚文(プロジェクター操作) 撮影 大久保彦 報告 福藤野英雄 当日の発表が8件と集まったので、幹事としてほっとしているところです。 予定より少し遅れて10時より近藤副会長の挨拶の後、以下の発表がありました。 1、「キノコ研究会に感謝 -今年一年間に学んだこと-」 沼田 尚文 タモギタケを例に、きのこは壺まで採取する。途中でちぎらない。また、発生環境まで記録する。 未知種のキノコは(森林公園のキノコ)は幼菌、成菌、老菌と必要最低限のみ採取して採取跡を落ち葉などで元に戻し、持ち帰る際は、他のキノコと区別し、新聞紙等で包み家に帰ったら冷蔵庫に入れ保管する。 友人と同行したり、案内させて戴いた時の最低眼のマナーについて。 発生場所はここでは触れませんが、もちろん発表会でもふれませんでした。Mさんのシロ?(キノコの発生地、Mさんの所有地ではないので念のため。)クロカワ、マツタケ、ムラサキシメジ、ホウキタケ、クリフウセンタケ。 Kさんのシロ、バカマツタケ、ホンシメジ、オオモミタケ等々、誰が出逢っても嬉しくなって、ついつい忘れ物、そうそう小物、記録を採るのも、それより絶対忘れてならないのが帰り道、秋の日はつるべ落としと言われるように、途中で暗くなったり、迷ったりすると家族に心配をかけるほか、ニュースになったり、私の経験では携帯は圏外の為殆ど使い物にならない。 携帯が使えるところではこのようなキノコは採れないと思ってよい。 やはり登山用のGPS(まだ使用したことがない)や、電波発信機、などがあると心強い、また、足元が滑りやすいため軽アイゼン(クランポン・英、Mさんお薦めの通販で2000円程度)、熊対策も、等々。
2、 2018年 に出会った茸(八ヶ岳、東大秩父演習林等) 大久保 彦 菌類懇話会の合宿に参加したとき見たきのこ、ウツロベニハナイグチ、ベニハナイグチ、ニガイグチ、ツガマイタケ、クリカワヤシャイグチ、ヤマドリタケ、クロカワ等。 奥多摩でバカマツタケ、オオムラサキアンズタケ、ベニチャワンタケモドキ、モミタケ等 東大秩父演習林
3、「公園で出会ったキノコ20種) 大舘 一夫
主に都会や平地林に普通に見られるものの、同定が難しいためか巷のキノコ図鑑には余り載っていないきのこの発表がありました。
日比谷公園・ 光が丘公園・代々木公園・水元公園・新宿御苑で観察された種
ヒマヤラ杉、樹下に発生する明るい赤色のアカチャイヌシメジ、ウッドチップ樹下に出るキオキナタケとシワナシオキナタケの見分け方、前者は傘の色がオリーブ黄色に対して後者は鮮黄色等々、微妙に異なっている事、また、いずれもツマミタケ属にありながら、ツノツマミタケは先端がとがっているのに対してツマミタケは先が尖っていないなど。 キノコ狩りは目もくれないウッドチップ上に発生する小さなチャダイゴケ属3種、コチャダイゴケ(殻皮は1層)、ツネノチャダイゴケ(殻皮は2層)、ハタケチャダイゴケ(殻皮3層)の見分け方など。
武蔵丘陵森林公園・小川元気プラザ・堀兼・上赤坂公園で観察された種
ごく普通に見られるが小さく地味なキノコの為か、ヤケイロチチタケやツチイロチチタケ、また発生は非常に希だが傘に淡黄褐色の環紋があり、肉が極めて硬い(詳細は池田氏の北陸図鑑)トラシマチチタケ
他にモリノフジイロタケ、サザナミニセフウセンタケ、ヌメリコウジタケ、セイタカイグチなど。 主に都会や平地林に普通に見られるものの、同定が難しいためか巷のキノコ図鑑には余り載っていないきのこの発表がありました。 日比谷公園・ 光が丘公園・代々木公園・水元公園・新宿御苑で観察された種
4、山で出会ったきのこ・近所の公園で見つけたきのこ 岡田 久枝
岡田さんは最近入会された方で毎回熱心に参加されていました。 また山の会 奥日光の某登山道で見つけたマイタケやオオツガタケ、10月下旬、飯能の湯の花山の杉
村田さんによるとボルチーニと言われる仲間に和名ヤマドリタケ(柄に網目なし)とヤマドリタケモドキ(柄に網目あり、香あり・柄に網目あり、香なし)の少なくとも3種(亜種か系統?)はあるのではないか。 そもそもそのきっかけとなったのはお盆の頃、蓼科山に行ったとき、樹齢10年くらいのモミ林で10本ぐらいボルチーニ(網目の無い)を採って持ち帰った。 二階で仕事をしているとなにやら下のキッチンの方からとてもいい香りしてきたので降りて行ってみると妻がまさに今日採取したボルチーニを使ってハンバーグのソースを作っていた。そのさわやかな香りを嗅ぐととても幸せな気分になった。詳細は村田氏に。
6、日本人ときのこ 橋本 啓一 秋ヶ瀬の研修会ではキノコ汁で大変お世話になっている熊谷市の橋本さんのお話の中で私が特に印象に残った話です。 ご近所にお住いのおばさんが毎年たくさんのムレオオフウセンタケ(秩父地方ではダイコク又は、クロダイコクと言います。以下、敢えて地方名ダイコクとします。)を採って来るそうです。 ご近所の好でその場所を教えてほしいと何度もお願いしたが、ご多分に漏れず教えてはくれませんでした。 そのうちに今年もキノコシーズンが来てしまいました。キノコ仲間の方からその方のテリトリーにいっしょに行くことになり、某所に車を止め、尾根沿いに進んでいくと、何やら人の気配を感じたので静かに近づいて行くと、何かを叫んで居る様なのです。要は、「こっちに来てもきのこは無いよ。」と言っているようでした。 でも何かその声に聞き覚えのある声でしたので行ってみるとなんとそのおばさんがいて、その足元にはたくさんのダイコクが生えていました。 私も似たような経験があります。十数年前、宿泊研修の幹事で大久保氏推薦の某秘湯温泉で行うこととなったが行ったことがなかったので二人で下見に行った時のことです。 宿との打ち合わせが終わりまだ時間も早かったので山の様子も見ておこうということになり、林道を進んでいくと何やら私にビビット来るものがあり、車を止め、森を観察した結果 その環境、樹種、樹齢、人の踏み跡等、などを総合的に判断した結果、それは私にあるものがあると予想から確信に変わっていきました。
人の背丈ほどもあるスズタケ?を分け入って進んでいくと、突然前方で“ガサガサ”と物音がしたので、身構えるとなんと大きな籠を背負ったおじさんが立って此方を見ているではありませんか。 その時はああヤッパリな、と思い敢えてキノコの話はしませんでした。 まあ天気のことぐらいかな、ちょっと話して別れた後、私は大久保氏に言いました。 彼の来た方向に「絶対アレがある、絶対ある。」と言い数百メートル進むと一本の大木がありました。 間違いないあの木の根元だ。そこに行って大木の根元を見ると八株ほどのアレが生えていました。只、採るにはまだ幼菌だったので、ちょうど一週間後に会があるので一週間のお預けとなりました。
私は絶対採るためには土、日に先を越されないように現地に六時半に到着するように出かけてきました。まだ少し薄暗い森の中を分け入って例の大木の根元を見ました。しかし一週間前に確かにあったはずなのにそこにはアレのかけらが一つもありませんでした。やはりあのおじさんが危機感を感じて前日に採ったのだろうと二人で納得した顛末でした。
7、和名と学名が取り違えられた?きのこ 「ハタシメジ」 西田 誠之 毎年行われる秋ヶ瀬での採集会で採れた、ハタシメジのおはなしでした。詳細は西田氏が「いっぽん 31号」に発表するそうです。
8、屋久島の奇妙なきのこ 賀登 環 賀登さんが屋久島の西部林道、標高100m位の所で出会った傘?が二重になった白いキノコの写真を交えて話されました。確かに傘とも、ツバとも見えるきのこであり、私も福島会長も見るのは初めてだと言っておられました。新種の可能性も否定できないとのことでしたがまずは標本がないとこれ以上は言えないとのこと。只、樹上から発生しているようなので樹種が解れば栽培は比較的容易ではないかと。し 最後に福島会長より講評がありました。その後役員会を開いた後、“養老の滝”にて懇親会となりした。 |